税理士ブログ

法人成りについて【個人の事業所得と法人税の違い】

2025-11-18
[税務会計,法人税法,所得税法,消費税法,会計・財務分析]
はじめに
事業を営む形態として「個人事業」と「法人経営」があります
会社員を辞めて独立開業をする際は個人事業または法人経営のいずれかの形態にて事業を営むこととなろうかと思いますが、税理士目線で見た際に個人業と法人経営とでは違いがあります

個人事業:所得税
法人経営:法人税

という違いももちろんありますが、それぞれのメリット・デメリットはありますので、税理士として思いつく範囲内で違いについて記事にしていきます
所得税と法人税の違い
個人事業:所得税
法人経営:法人税

と言いましたが、これらについて税金計算について大きな違いがあります
法人税については軽減税率を除き、税率についてはほぼ一定であるのに対し、所得税については超過累進税率という、所得が高ければ高いほど税率が高くなるという計算方式を採用しています

税金目線で短絡的に考えれば、所得税の税率が高くなりすぎた場合には一つ法人化のタイミングともいえます

また、個人経営については収入経費ともに個人そのものに帰属します
基本的に単年度決算で、その年の儲けに対して税金が課税されることとなります

それに対して、法人経営は法人そのものに収入経費が帰属します
会社の社長も法人に雇われる形となるため、役員報酬という形で給料をもらうため、役員報酬そのものを経費とすることができます

従って、個人事業とは異なり、法人経営の場合は収入経費を差し引き、更に本人の役員報酬を控除した差額の利器に対して税金が課税されることとなります

役員報酬は所得税法上、給与所得に該当し、給与所得については一定の給与所得控除額という個人の概算経費分を控除することができます

少しわかりづらいのですが、法人経営の場合は個人事業と比較してこの「給与所得控除額」分について、経費が追加計上できます

これに対し、個人事業で青色申告をしている場合、青色申告特別控除を引くことができ、これの上限が65万円であることから

法人:給与所得控除額
個人:青色申告特別控除

これが税法上の追加控除分となりますが、基本的に給与所得控除額の方が大きくなる傾向にはあります
退職金の考え方
個人事業の場合は単年度決算なので、本人への退職金については経費とすることができません
法人経営の場合は役員も会社に雇われている身であるため、退職金を経費とすることができます

退職金については辞めた後の経費であるため、その後、存続企業となる場合にはとても大事なものかも知れませんが、自分一代で終わらせる前提であれば、退職金分を前取りする形での個人事業も悪くはないと思います

ちなみに退職金については個人所得の上で一番税金が安くなるものです
個人事業で退職金が欲しい場合には小規模企業共済等掛金に加入することによって、退職金を積み立てることも可能となります
利益がでなくとも払う税金
個人事業の場合は利益が出ない時は税金も発生しません
法人経営の場合は各自治体への「均等割」という税金が発生します

法人経営の場合は赤字でも税金が発生することとなります
法人経営における税金減額
税理士立場として、儲かる事業であれば法人経営がおすすめです
法人に利益を留保し、退職金にて役員に支払うというものが税制上、もっとも効率よく利益を個人に入れることができる方法だと思います

一昔前であれば会社経営についても世襲制がメインで子が後をとるかどうがによる部分も多くありましたが、近年ではM&Aによる事業承継もかなり活発になっていることから、中身が良い会社で純資産を留保している場合には自分が引退した後についても大きな問題は発生しないものと感じます
まとめ
個人事業で独立開業するか、法人経営にて独立開業するか?

税理士としてどちらが良いかと言われた場合に、とりあえず個人事業で始めてみることをおすすめするケースが多いです

本当にその事業が儲かるのか?

これを見極めてからの法人成りでも遅くはないと思います

儲かる事業であれば法人経営が効率的だと思いますが、万が一事業が儲からない場合に会社を閉じる手間とランニングコストがかかるもの、また、厳密な処理が必要とされるのも法人経営だからです

当税理士事務所においては創業支援も行っております
税理士のみならず他士業との横の連携をとることによりワンストップにて独立開業支援を行うことが可能となっております

もし独立開業などにご興味のある方は当税理士事務所までご連絡いただければと思います

譲渡所得における譲渡費用について

2025-11-15
[税務会計,所得税法]
はじめに
税法における課税の基礎として所得というものがあります
所得=利益、儲け
という考え方です

譲渡所得(個人が事業以外で土地や建物、株式などをを売った場合における所得)においても所得とは収入から経費を差し引いて算出しますが、譲渡所得の場合、この経費を「譲渡経費」と言います。

譲渡所得については通常の所得とは考え方が異なるところがあったり、各種特例も多くあることから税理士でも苦手意識を持つ方も多い、ちょっとだけ難しい所得区分でもあります

今回は、譲渡所得について説明するとともにこの経費部分である譲渡経費について説明いたします。
譲渡所得について
譲渡所得とは主に個人が土地や建物を売却した際にかかる所得税です。
譲渡所得は分離課税といい、保有期間が5年を超えるかどうかにより短期譲渡と長期譲渡に区分され、それぞれ税率が異なります。
譲渡所得については短期的な土地の譲渡を繰り返すことが好ましくないということで短期譲渡の方が税率が高くなっております。

課税については【譲渡価額△取得費△譲渡費用=譲渡所得】という計算式となっており、この譲渡費用がどこまで認められるのかについて記載していきます。
譲渡費用とは
譲渡費用とはその譲渡を実行するためにかかった直接的な費用で代表的なものは以下の通りです。
・仲介手数料
・売主負担の印紙税
・貸家を売るための立退料
・土地を売るための建物取り壊し費用及び建物の損失額

従って、維持管理のためにかかった修理費用や固定資産税などは譲渡費用には含まれません。
譲渡費用とならないものの可否
・抵当権抹消登記の費用:×(該当しない)
→過去の判例により譲渡費用とはなりません。
・譲渡所得申告時の税理士報酬:×(該当しない)
→譲渡をするためではなく、譲渡をした後の報酬であり、譲渡費用とはなりません。
・測量費用:△(ケースバイケース)
→明確に譲渡のために行った測量であれば譲渡費用となります。譲渡日と測量日があまりにも時間が空いている場合には注意が必要です。
・弁護士費用:△(ケースバイケース)
→譲渡と直接的な因果関係が認められる契約書作成料については譲渡費用として認められますが、譲渡代金の取り立てのための弁護士費用については譲渡後の処理であるため譲渡費用には該当しません。
まとめ
譲渡をするために要した費用が譲渡費用であり、譲渡前の維持管理または譲渡後の経費が譲渡費用に混在しないよう。
また、譲渡との直接的な因果関係の希薄なものが混在しないよう、十分の注意が必要となります。

譲渡所得は税理士目線からみても非常に複雑であり、また、特例も多く存在することから不知による損失を被る可能性が多くあります。
申告の際は十分に注意していただければと思います。

福島市でラーメンを食べてきました【たいとくま】

2025-11-13
[福島市,ラーメン,グルメ,税理士]
薫寿の隣に位置するたいとくまに行ってきました

たいとくまさんは元々は薫寿弐番館でした
たいとくまさんは福島市においても珍しいスイーツとラーメンの二刀流のお店です

名称:たいとくま
住所:福島県福島市野田町4-11-17大竹第二ビル1階

私は期間限定の牛テール塩らーめんをいただきました
牛骨の出汁が強く、クセはあるものの福島市において牛骨スープのラーメンは数少ないので牛骨スープが好みの人は是非一度食する価値はあると思います

個人的には黒胡椒を沢山入れることにより牛骨独特の臭みが和らぐので、黒胡椒を多めに入れて食することをおすすめします

また、福島市においてスイーツとラーメンの二刀流はきっとこのお店だけだろうとは思いますが、回りのお客さんを見ると意外とスイーツとラーメンを注文する方も多くいました

一見すると違和感を覚えるコンビでも意外と相性が良いこともあることを知りました

確定申告の書類の整理について

2025-11-11
[税務会計,所得税法,消費税法,会計・財務分析,税理士]
税理士業界において、年末から確定申告時期までが最繁期となります
年末には年末調整業務があり、その後3月15日を期限とする個人の確定申告業務があり、そこが永遠の税理士業界における繁忙期となります。

なぜこの個人の確定申告時期が一番の繁忙期になるかと言えば、個人の所得を確定させる際に、

・会社員であれば年末調整では確定しきれないものについて確定申告が必要となる
・そもそも年末調整をしていない方で確定申告義務がある方については確定申告が必要となる

個人の所得を確定させる作業として、事業を行っていない方についても確定申告が必要となるためです。

一般的に知られているところであれば
・住宅ローンを組んだ際の「住宅ローン控除」
・多額の医療費がかかった場合の「医療費控除」
・ふるさと納税を行った場合の「寄付金控除」
・転職や二か所給与があることによる「源泉徴収票の合算」

などがあります、不明なところございましたら税務署またはお知り合いの税理士などに確認することが大事です。
所得税における所得区分はおおよそ10区分あります
・利子所得
・配当所得
・不動産所得
・事業所得
・退職所得
・山林所得
・譲渡所得
・一時所得
・雑所得
です、この中でも特に手間のかかるのは「事業所得」です。
事業所得についてはほとんど法人税申告と同様の帳簿書類の整理が必要となるためです。

これら事業所得については特に「日々の書類の整理」が重要となります。

この時期にまとめて実施する方も多くおりますが、どうしても昔の記憶や昔の書類については記憶があいまいになりがちです。

経理処理については皆さんあまりお好きではないように思えますが、帳簿書類については日々その都度確認しながら整理するということが非常に重要です。

もし、そういうのが苦手中でであれば期日を定めて整理することをおすすめします。

日本人は基本的に期日を守ることは得意なように思えます。
経理処理のような苦手であり好きでないものについては特に自分に厳しく期日を定め、例えば毎月20日は経理処理や書類整理を実施する。などと定めること、また、それを守ることによって確定申告が楽になります。

確定申告についてはこれでお金を稼ぐ訳ではなく、むしろ税金を払うというネガティブなものかも知れません。

ただ、書類整理などを怠れば払う必要のない無駄な税金を納めるのみならず税務調査を受けたのであればその恐怖と追徴税も課されてしまうため大きな代償となります。

将来的に法人成りを検討されているのであればなおさらのことであり、経理処理・書類整理についてはとても重要なこととなります。

まずは確定申告についてはこの時期のイベントという意識から日々の作業という意識に変化していただければと思います。

役員報酬における「定期同額給与」の考え方について

2025-11-09
[税務会計,法人税法,税理士]
創業支援において会社を設立する新しい社長と打合せをする際に必ず役員報酬のお話になります
従業員であれば自由に報酬を上げ下げすることができますが、役員はそのように自由な上げ下げはできません、という説明をする必要があります

それではこの定期同額給与とはどのようなものなのか、簡単にではありますが税理士目線で説明をしていきます
定期同額給与とは
定期同額給与とは「毎月同じ金額の役員報酬を支給する」ということです。

通常の従業員であれば残業手当があったり精勤手当があったりするので月々の給料の額に変動があるのが通常です。
また、通常の従業員であれば年に数回の賞与などもあると思います。

一定の要件を満たす会社の役員であればこれらの変動は一切なく、毎月同額の役員報酬を支給しなければならないというのがこの制度です。

なぜこんな制度があるのだろうか?
多分ではありますが、役員であれば自由自在に自分の役員報酬を操作することができます。

「思ったより利益が出そうだ」

というときに役員報酬を操作すれば利益調整が可能であり、また、

「思ったおり利益が出ないから銀行から怒られそうだ」

というときに役員報酬を操作することによりこれもまた利益調整が可能となります。

それでは税務当局としても見過ごすことはできず、この定期同額給与という考え方が出たのだと思います。
定期同額給与を違反したとき
定期同額給与によらない部分の役員報酬は損金不算入ということでいわゆる経費になりません。
・増額改定した部分についてはその部分が損金不算入となります。
(例)60万円→100万円に改定、100万円△60万円=40万円×月数分が損金不算入
・減額改定した部分についてはその減額分が損金不算入となります。
(例)60万円→40万円に改定、60万円△40万円=20万円×月数分が損金不算入

なお、やむをえない経営状況の著しい悪化による場合(業績悪化改定事由)による場合には改定が認められますが、これは前回の総会時において到底予見することができない程度に甚大な業績悪化である必要があり、その状況などを議事録に残しておく必要があります。
定期同額給与である期間
役員報酬を改定できる時期については事業年度開始の日から3か月以内となっております。
役員報酬自体が総会決議事項であることを鑑みれば基本的に前決算時に決めたものを直すことができないという考え方です。

また、事前確定届出給与というものがあり、これにより事前に定めた時期に定めた額を支給すれば損金に認められるという制度もありますので、また別の機会に記事にしたいと思います。
定期同額給与によらない法人
同族会社でない法人であれば定期同額給与の縛りがございません。
利益操作みたいなものはやはり同族会社を想定したものだと思います。

・協同組合
・公益法人

その他同族会社に属さない法人もございます。
基本的には中小法人は定期同額給与の縛りがありますが、同族会社が要件というところも覚えていただければと思います。
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